
桑野神社の参道で、不思議なご縁をいただいています。
一人の女の子が、お父さんとともに参拝に来られます。
これまで四度、お参りに来られました。
そしてその四度とも、参道で禰宜である私と出会ったのです。
時間を合わせたわけではありません。
約束をしていたわけでもありません。
それでも、四度とも。
実は、この参拝はその子自身の「行きたい」という願いによるものだそうです。
お父さんは、娘のその思いに促されるようにして、
ともに足を運ばれているとのことでした。
その願いに、神さまは確かにお応えになったのだと思います。
四度とも参道で出会えたことも偶然ではなく、御神慮の出来事であったに違いありません。
その子には、いま一つの目標があります。
その小さな胸に、静かな決意が育っています。
前回お会いした折、
「次はご祈祷をしましょう」と約束をいたしました。
そして先週、約束どおりご家族でお越しになりました。
お父さんとお母さんに見守られながら、境内へ入ってこられました。
神社へ入ってすぐ、その子が私の前に歩み寄ってきました。
何かあるのかな、と思っていると
その子は、私から見えないように、
背中にそっとチョコレートを隠し持っていました。
その子は、私の前に立つと、
じっと見つめて、そっと差し出した小さな手には、

チョコレートがありました。
神さまにお仕えする身でありながら、
その日、心をあたためていただいたのは、私のほうでした。
参道での四度の出会い。
ご祈祷の約束。
そして、背中に隠していた小さなプレゼント。

今日の出来事は、
忘れられない祈りの時間となりました。
その子の歩みが、
健やかに、そして穏やかに守り導かれますように。
ご家族の毎日が、穏やかでありますように。